シムラ病院は 外科、整形外科分野で広島の救急医療を支えます

 

 

 

 

 


 

 

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膝半月板損傷

  膝半月板損傷

1.症  状
1)膝関節の疼痛。
2)膝の曲げ伸ばしの際に痛みや引っかかりを感じる。
3)急性期(受傷直後)には関節に血がたまったり、膝がロックして曲がらなくなる場合
   もあります。
4)慢性期には運動時や階段昇降時に痛み。
5)炎症がおこると関節水腫(水がたまる)になることもあります。
6)膝がずれる、膝がガクッとなるという症状も出現することもあります。

 

2.検  査
1)エックス線検査;
   半月板はX線には写らないので直接的な診断メリットはありません。基本的な膝関節の
   状況把握をするためには有用です。
 
2)MRI;
   半月板損傷には必須の検査です。半月板の断裂の仕方や半月板自身の変性の度合いが
   よくわかります。合併する可能性のある靱帯損傷などの診断にも大変役に立ちます。
 

3)関節鏡検査;

   関節内の状況を直接見ることができるので確定診断できます。局所麻酔で行われる場

   合もありますが、通常は関節鏡視下手術を前提にした手術の中で最初に確認のための

   診断検査として行われます。

 

3.治療について  
 最初から膝がロックしたり、疼痛が強い症例には関節鏡視下手術が行われることもあります。通常は大腿四頭筋などの筋力訓練(図17)をしっかりします。炎症が強い場合には消炎鎮痛剤(痛み止め)の薬を飲みます。それでも疼痛があったり、膝に水が貯まったりするようであれば、関節鏡視下手術になります。
 
手術はすべて関節鏡視下手術になります。
1)切除術(図21)
   半月板の損傷した部位のみを切除する、部
   分切除術が主流である。半月板そのものは
   重要な組織なので、損傷の度合いが大き
   かったり、すでに変性している半月板であ
   れば、切除後長期間経過すれば変形性膝関
   節症に進行する場合もあります。
 
 
 
2)縫合術(図22)
   半月板に変性が無く、断裂部位が辺縁で血
   行が保たれている場合には断裂した部位を
   縫い合わせる(縫合術)治療になります。
   半月板としての機能を温存できますので、
   半月板切除に比べて長期的には変形性膝関
   節症に進行する確率が低下します。しかし
   再断裂の危険性や手術後の治療が少し長引
   くというマイナス面もあります。
 
 

(図21)半月板切除術

    

 

(図22)半月板縫合術

     

 

4.薬剤について
痛みの程度によって消炎鎮痛剤を処方します。

 

5.病気について
 半月板の機能は膝の大腿骨と脛骨の間のクッションの役割であるといわれています。膝関節に加わる荷重を上手く分散して伝達し、関節軟骨の負荷の軽減と膝関節の安定性に大変役立っています。要するにショックアブソーバーとして大きな役割を持っています。従って半月板断裂や半月板変性などによって半月板機能を喪失したり、半月板の広範囲切除後(手術で大部分の半月板をとること)には、長期的に見ると変形性膝関節症に移行し、慢性の膝関節痛に悩まされるケースがしばしばあります。
 半月板損傷の半数以上はスポーツや外傷によっておこります。そのような半月板損傷の中にはしばしばACL損傷などの重要な靱帯損傷を合併していることがありますので、MRI検査でしっかりした診断をたてることが重要です。靱帯損傷の程度によっては重症度は全く異なりますし、治療方針や治療成績も異なってきます。
 また半月板損傷のうち外傷によらない(非外傷性)損傷もあります。円板状メニスクスといって特に外側の半月板が生まれつき大きい方(日本人の5〜10%前後)がいらっしゃいます。円板状メニスクスでは非外傷性(ケガをすることなく)に損傷する場合があり、膝痛の原因になります。また大体40歳を過ぎると半月板が変性し、そこに軽微な外傷が加わり断裂をおこす場合もあります。いずれにしても検査にはMRI検査が最も重要になります。リハビリは大腿四頭筋訓練がもっとも重要です。