Osgood-Schlatter病(オスグッド・シュラッター病)
1.症 状
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1)膝関節前面(脛骨粗面)の膨隆(骨が
飛び出ること)(図26)。
2)運動時に増悪する脛骨粗面部の痛み。
3)膝関節前面(脛骨粗面)を押さえると
痛い。
重症例では日常生活の歩行でも痛みが出現することがあります。
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(図26)オスグッド・シュラッター病
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2.検 査 | |
1)エックス線検査(図27);
最も有用な検査。膝関節側面像で脛骨
粗面部の骨端核の不整、分節化(要す
るに成長線に不整像が出現することで
す)。脛骨粗面部の突出。
2)MRI;
脛骨粗面部から膝蓋腱にかけての炎症
像。
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(図27) |
3.治療について | |
保存療法が原則です。疼痛が誘発する運動の禁止や運動種目の限定で疼痛が消失する程度であれば、スポーツを継続することは可能です。その際、運動直後の患部のアイシングなどのトリートメントは重要となります。
最も重要なのが大腿四頭筋のストレッチングです。大腿四頭筋の付け根が骨盤にあることを念頭にいれて、しっかりストレッチをします。
日常生活動作で疼痛が出現するようであれば、スポーツを一時的に中止して、骨端線(要するに成長軟骨)が閉鎖するまで、スポーツ種目を変更することで、運動強度や方法を変更するのがよいでしょう。
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4.薬剤について |
痛みの程度によって、外用剤や消炎鎮痛剤を処方します。サポーターやバンドの使用も有効です。
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5.病気について |
骨端線閉鎖前(成長線が閉じる前)の10代のスポーツ選手に好発します。
スポーツのやりすぎによる膝関節前面の成長線の炎症で、オーバーユース(overuse)という言葉が最も当てはまります。したがって治療は成長線が閉じるまでの間、『使いすぎ』を避けることと大腿四頭筋のストレッチをしっかりすることです。
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